Work

松本十帖・ALPS TABLE

VI/CI  INSTALLTION  GRAPHIC  

Date

2020.10

Client

株式会社自遊人

OUTLINE

長野県松本市にある旅館「小柳」再生・浅間温泉エリアリノベーションを試みる「松本十帖」プロジェクトにて、ファミリーダイニング「ALPS TABLE」をプロデュース。店内の内装デザインと、長野の特産品が食卓に並ぶまでを遊びながら学ぶことができる体験型コンテンツを制作しました。

 

BACKGROUND・PURPOSE

ホテルの枠組を超え、町をメディア化する「松本十帖」プロジェクト。

松本市にある浅間温泉は、開湯1300年以上とも伝わる温泉街。古くは、江戸時代には松本藩の「御殿湯」が置かれ、明治以降は若山牧水や与謝野晶子など多くの文人も訪れた名湯ですが、時代の変化の影響を受け、近年は観光客が減少。空き家も目立つようになりました。

 

この地に新たに発足した「松本十帖」プロジェクトは、「里山十帖」「箱根本箱」「宿場町ホテル 講 大津百町」の姉妹館として、株式会社自遊人がプロデュースするホテル・地域再生プロジェクトです。

プロジェクトの中心地である旧小柳の敷地は、ふたつのホテルを持つ「松本十帖」へ。ひとつは、「豊かな知と出会う」をコンセプトにしたブックホテル「松本本箱」。もうひとつは、貞享3(1686)年創業の老舗として長く地域に愛されてきた「小柳」の名を残したファミリー対応のホテル。その他、ダイニング、ベーカリー、バー、カフェ、ブックストア、温泉、発酵蔵などが順次オープン予定。さまざまな年齢層・顧客ニーズに応える複合施設へと生まれ変わります。

また、ホテルの機能は街全体に分散。さまざまな事業者を招き、空き家を再生・活用することで、ホテルの枠組みを超え温泉街全体の再生を試みています。

 

ノングリッドがプロデュース・インタラクティブコンテンツの制作を担当したのは、「松本十帖」内にあるファミリーダイニング「ALPS TABLE」。

食育をテーマとした体験型コンテンツをプランニングするにあたって、自社事業「Why Juice?」で日本各地の農家と提携し商品開発・販売を行ってきた経験と蓄積を活かされることが期待されました。

 

IDEAS・PROCESS

松本は、山と川に囲まれた自然豊かな土地。季節を通して収穫される豊富な農作物。

この自然資源とそこで育てられている農作物のことを、食べて、見て、遊んで体験できるコンテンツをつくり、子どもたちに楽しんでもらいたいと考えました。

コンテンツをプランニングするにあたって、松本で育てられている農作物のことや山々にどんな植物が育つのか、どんな動物たちがいるのか、メンバーで勉強しました。

 

CREATIVE

壁には雄大な北アルプスの山々や里山に暮らす動物たちが描かれ、床にプロジェクションされた川には魚が泳ぐ……ダイニング内には、まるで絵本の世界に飛び込んだかのような空間が広がります。

イラストを手掛けたのは、美術作家・佐々木愛氏。佐々木氏の表情豊かなイラストレーションをじっくり見ると、長野県のシンボルである雷鳥などこの土地ならではの動物や特産物、風習が。地域資源を細部にまで表現することにこだわりました。

 

インタラクティブウォールは、長野の特産品である米・りんごが食卓に並ぶまでを遊びながら学ぶことができる体験型コンテンツ。動物が現れたり、田畑に訪れるバッタなどの昆虫を追い払ったり、季節が移ろい、りんごが色づいたら収穫をしたり。稲は収穫するとごはんやおにぎりに。たくさん遊んだあとは、実際に地元で作られたりんごジュースやごはんなどをいただくことができます。

体験型コンテンツのほか、店内は小さな子ども連れがゆっくり食事を楽しめる小上がり席や絵本のコーナーも設置しました。